ミニシリーズは、1969年10月、Ｍｋ-Ⅱモデルに移行すると同時に、70年代型ニューモデルとしてまったく新しいフロントまわりをもつクラブマンシリーズを加えた。
シリーズは、サルーン、エステート、1275ＧＴの3モデルからなり、その目的は個性的なミニのデザインを刷新し、より幅広い層にミニを浸透させることであった。具体的にはドアより前方を126mm延長し、ヘッドランプの埋め込まれた、より現代的なグリルが最大の特徴で、室内もリニューアルされた。
さて、本題のクラブマンエステートだが、このモデルはカントリーマン&トラベラーMkⅡを受け継ぐエステートモデルとして位置づけられる。クラブマンサルーンのホイールべースをさらに約100mm延長して全長は3400mmとなり、全ミニシリーズ中もっとも長いクルマとなった。ボディの後ろ半分は前モデルと同様の手法で延長されており、観音開きのリアドアなど機能的には変化はないが、ボディサイドからリアにかけてのパネルには、木目調のビニール製のトリムが付く。前モデルのようなウッドトリムが付くことはなかった。
写真のクラブマンエステートは、72年製ボディをベースに現代の快適性と走りを再現したクルマに仕上げられている。チューニングエンジンに強化された足まわりとブレーキ、オリジナルの縫い方を踏襲した豪華なレザーシートなどから、製作者のこだわりが感じられる。さらに、日常の足として街角を走り回るべく、エアコン、カーナビまで装備されている。